プレコンセプションケアとは?

「母になるか迷った20代— 助産師の私がたどり着いた“プレコンという生き方”」

プレコンセプションケアって...? (1)

母になるか悩んだ20代の話と、プレコンという考え方について書いています。



この記事で書いていること

・なんとなく描いていた「母になる未来」

・助産師として知った命の重さと迷い

・母にならないと決めた時期

・価値観が変わったきっかけ

・プレコンという生き方との出会い

・今の私の答え 




なんとなく描いていた「母になる未来」

私は20代で、「いつか母になりたいのかどうか」をひどく悩んだ時期がありました。


大学を出て看護師になり、3年働いたら助産師になるために進学して、

27〜28歳くらいで結婚して、そのままお母さんになる。


社会人になったばかりの頃の私は、そんな未来をなんとなく思い描いていました。


第一子として29歳の母から生まれた私にとって、その年齢感はどこか自然な基準でもあったのだと思います。


でも実際に看護師として働き始めると、仕事は想像以上に面白く、やりがいがありました。


患者さんとの関わり、チーム医療、命の現場。

「助産師になるために一度仕事を離れる必要があるのかな」 と迷う気持ちも出てきました。


それでも看護師3年目のある日、ふと腑に落ちたんです。


「今チャレンジしなかったら、多分一生しない」 そこから助産師の道に進む決意をしました。


命の現場で揺れた20代 助産専攻科での日々は、想像以上に濃くて、そして重たい時間でした。

命が生まれる瞬間の尊さと同時に、そのリスクや責任の重さも突きつけられる毎日。


分娩実習では、 「いつ生まれますか?」 と産婦さんに聞かれて答えに詰まったり、

痛みが辛くて 「もうお腹を切って出してほしい」 と言われて言葉を探したり。


やっと赤ちゃんが生まれても、すぐに泣かず蘇生が必要になることもあります。


小さな身体に「泣いて、呼吸して」と祈りながら必死に関わるあの時間は、

何度経験しても胸が締め付けられます。 指導で泣いた日も数えきれません。


そして助産師として働き始めると、その責任の重さは学生の頃とは比べものにならないものでした。


母と赤ちゃん、二つの命を同時に預かる仕事。

その現実の中で私は、ある時こう決めました。


「私は母になるのはやめよう」


怖かったんです。もし自分の子どもに何かあったら耐えられない。


仕事で命の現場を知れば知るほど、その恐れはリアルになっていきました。



赤ちゃんを可愛いと思えた日

それから数年。


職場は病院から助産院へと変わり、一人ひとりの妊娠・出産・産後にゆっくり関われるようになりました。


そんなある日、ふと心が動いた瞬間がありました。

「あ、赤ちゃんって可愛い」 本当にシンプルな感情でした。


お腹の中にいる頃から関わっていた赤ちゃんが無事に生まれて、 少しずつおっぱいを飲めるようになって、

うんちやおしっこで顔を真っ赤にして泣いて、 沐浴ではおじさんみたいな顔で気持ちよさそうにしている。


命ってこんなに愛おしいんだ、と改めて思ったんです。



そして自然にこう思いました。

「私もいつか、お母さんになってみたいな」 母になる準備は、予定通りじゃなくていい。


そこから私は、出会うママたちにたくさん話を聞くようになりました。


これは助産師という仕事の特権かもしれません。


「生まれた瞬間、可愛くて仕方なかった」


「正直、何をしたらいいか分からなくて不安だった」


「この子と夫と家族になっていくんだなって、不思議な気持ちになった」


喜びだけじゃない。 戸惑いも、不安も、全部リアル。

でも多くの人が最後にこう言います。


「それでも、愛しいんだよね」 その言葉を聞くたびに思うんです。


母になる準備って、完璧に整ってからするものじゃないのかもしれない、と。


人生はいつだって途中だし、選択は揺れながらしていい。


プレコンという生き方に出会って だから今の私は、「絶対いつまでに産む」と決めているわけではありません。


母になるかどうかも、タイミングも、まだ人生の途中です。


でも一つ、はっきりしていることがあります。


私はいつか、お母さんになりたい。


そしてそのために今大切にしているのが、 プレコンセプションケア=妊娠前から自分を大切にするという価値観です。


これは単に栄養や運動、婦人科受診の話だけではありません。


・自分の体調の波を知ること

・心の声に耳を澄ませること

・パートナーとの関係を育てること

・自分の人生を自分で選んでいる感覚を持つこと


つまり、「自分を大切に扱う練習」なんです。


助産師として多くの妊娠・出産・子育てを見てきて思うのは、

妊娠してから急に整うものって、実はそんなに多くないということ。


だからこそ、まだ妊娠していなくても、予定がなくても、 まずは自分自身を丁寧に扱う。


それが未来の選択を優しく支えてくれると感じています。


今の私の答え

私もまだ道の途中です。 揺れることもあるし、迷うこともあります。


でも今は、自分を大切にする生活を重ねながら、

いつか腕の中に抱くかもしれない小さな命を、 そして何より“今の自分”を大切にして過ごしています。


母になる未来も、ならない未来も、どちらも尊い。


でも私は今、静かに思っています。

――いつか、お母さんになりたいなって。


そしてその日が来ても来なくても、 自分を大切にして生きていこうと思っています。


それがきっと、いちばんのプレコンセプションケアだから。


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