生理前と妊娠中。ホルモンが変わると、私はどう変わる?

生まれてくる準備が整う日まで、 あと100日。

今日も、やりたいことがある。 仕事もある。


でも、朝起きて、シンプルに身体が重たい。


起き上がることが、まず一仕事。 ご飯を食べれば、お腹はいつまでもパンパン。


つわりが明けて、安定期。

でも、日常はなかなか、これまでのペースではいかない。


それなのに、急にハッピーになったり、 朝のお散歩で穏やかな気持ちになったりもする。

身体も気持ちも、自分なのによく分からない。


「ホルモンの影響だよ」


その言葉の中で、私には何が起きているんだろう。


生理のときにも働いていたホルモンを、もう一度、見つめてみた。


【目次】

1.毎月、私の身体で起きていたこと

2.生理前と妊娠中、そして産後は、何が違う?

3.眠い日も、急にハッピーになる瞬間も

4.分かったようで、今日もよく分からない


1. 毎月、私の身体で起きていたこと


生理の周期に関わる、エストロゲンとプロゲステロン。


以前、この2つを、 エストロゲンは「育てる」。 プロゲステロンは「守る・整える」。


そんなイメージで考えたことがある。


生理が終わり、排卵に向かう時期には、エストロゲンが増えていく。子宮内膜を育て、妊娠に向けた準備を進める。

排卵後には、プロゲステロンが増える。 育った子宮内膜を、受精卵を迎えられる状態に整えていく。


妊娠が成立しなければ、2つのホルモンは低下する。


そして、子宮内膜が剥がれ、生理が始まる。


出血している数日だけが、生理に関わる変化ではない。


見えないところで、毎月、身体は変わり続けていた。


2. 生理前と妊娠中、そして産後は、何が違う?


生理前と妊娠中には、似ているところがある。


例えば、眠気。 乳房の張り。 お腹が張るような感覚。


どちらの時期にも、プロゲステロンなどのホルモンが関わっている。

でも、妊娠中が「ずっと生理前」というわけではない。


その違いは、ホルモンの量と、変化の仕方にもある。


例えば、血液中のプロゲステロン。 生理中から排卵前は、通常1ng/mL未満。

排卵後には、5〜20ng/mL程度まで上がり、妊娠が成立しなければ、また低くなる。


単位は難しいけれど、 「1より少ないところから、5〜20くらいまで上がって、また下がる」 と考えると、少し想像しやすい。


建物にたとえるなら、 毎月、何階もあるビルを上がって、生理が始まる頃には地上へ降りてくるような変化。


それが、妊娠するとどうなるのか。

ホルモンは、生理前のようには下がらず、妊娠を支えるために増えていく。


やがて胎盤が、ホルモンを作る中心になる。


妊娠後期のプロゲステロンは、100〜200ng/mLほどになることもある。


仮に、排卵後が10、妊娠後期が100〜200なら、10〜20倍。


もちろん、個人差も、測る時期による違いもある。

それでも、毎月の生理周期とは違う大きさの変化が起きている。


イメージするなら、 毎月上り下りしていたビルから、今度は山登りへ。


何か月もかけて、富士山を登っていると思っていたら、 妊娠後期には、エベレストのような高いところにいた。


山の高さとホルモンの量が、そのまま比例するわけではない。

でも、毎月の変化とは規模が違うことを、そんなふうに想像してみる。


そして、お産のあと。 ホルモンを作っていた胎盤が身体の外に出ると、エストロゲンもプロゲステロンも急激に低下する。


出産後の数日間で、大きく変わっていく。

何か月もかけて登ってきた山を、 産後は、短い時間で一気に下りていくような変化。


赤ちゃんが生まれたら、身体の変化もひと段落。


そんなふうには、いかないらしい。


妊娠中は、妊娠を支える身体へ。 産後は、そこからまた別の状態へ。


私が仕事をしているときも。 横になっているときも。

身体の中では、こんな変化が続いている。


つわりが明けても、身体の変化が止まるわけではない。


お腹はどんどん大きくなっている。 胎動を感じると、成長への嬉しさと安心感がある。


でも、つわりが終わることと、 妊娠前の身体に戻ることは違った。


「安定期」という言葉から想像していた毎日と、 実際に過ごしている毎日には、少し違いがあった。


3. 眠い日も、急にハッピーになる瞬間も


プロゲステロンには、眠気に関わる作用がある。


胃腸の動きもゆっくりになるので、便秘やお腹の膨満感につながることがある。

ご飯を食べて、お腹がパンパンになる。 食べすぎたかな、と思って食休みをしても、全然スッキリしない。

食べた量だけの問題ではないのかもしれない。


もちろん、私の症状が全部ホルモンによるものかは分からない。


でも、目に見えるお腹の大きさだけでなく、 身体の中の働きも変わっている。


そして、気持ちの方も。 急にハッピーになる。


朝のお散歩で、穏やかな気持ちになる。

こうした気分や安心感には、セロトニンなど、脳の中で情報を伝える物質も関わっている。


セロトニンは、気分だけでなく、睡眠や食欲の調節にも関わる物質。


エストロゲンなどのホルモンも、こうした脳の働きに影響する。

朝の光を浴びたり、身体を動かしたりすることも、気分や睡眠を整える助けになる。


だから、お散歩の心地よさには、そんな身体の仕組みも関わっているのかもしれない。


ただ、急にハッピーになった理由が、セロトニンだけで説明できるわけではない。


眠れているか。 身体がつらくないか。 その日、何があったか。 いろいろなことが重なって、気持ちは変わる。


身体は重たいのに、ハッピー。

嬉しいのに、日常を送るのは大変。


どれか一つに揃ってくれたら分かりやすいけれど、実際には、そうでもない。


4. 分かったようで、今日もよく分からない


ホルモンの働きを知ると、 「ああ、そんなことが身体の中で起きているんだ」 とは思う。


でも、知ったからといって、 自分の身体や気持ちを、うまく扱えるようになるわけではない。


「今の私の声を聞く」 そう書くと、なんだか丁寧に自分と向き合えそうだけれど、 それができたら苦労しない。


何を感じているのか。 どうしたら楽になるのか。 今日はどこまで動けるのか。

よく分からないまま、今日も始まる。

周りに迷惑をかけることも、たくさんある。


いざ出掛けようと思っても、靴下を履くのが一苦労。


彼には、 「一人で履くときは危なっかしいから、靴下を履くときは座りなね」 と言われた。


最近手に入れたラッキーアイテムは、柄が長い靴べら。

これのお陰で、靴が履ける。 こんなにも靴べらがありがたいものだったなんて。


今までなら自分でできたことにも、人の手や道具が必要になる。


お腹の子と一緒に、私も成長していきたい。 そう思っている。


でも、そんなふうに思えたからといって、 毎日がすっきり分かるわけでもない。


胎動を感じて嬉しくなったり、 朝のお散歩で穏やかになったり、

身体が重たくて、起き上がるだけで一仕事だったり。


助産師として知っていた妊娠を、 今、私自身の身体で経験している。


そして今日も、よく分からない感覚に襲われている。

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